時と場合によって消えたり増えたり
人工空調により、揺れるプラスティック
雨が降れば穏やかに笑う歌がある
頭上から降り注ぐ雨と共に現れた黒い傘
バーブのかかったスネアが跳ねる、白い粉
私や人々に構わず勝手に平常を保とうと進んだり止まったり
始発から終点までの数を数えて、やがて眠る
コンクリートと鉄、樹脂、ゴムの境目を目でなぞっていた
牛乳と煙草を袋に詰められ、振り歩くよ
夏の音楽を散々聴いて、冬の音楽を散々聴いていく
水を飲むように、息をするように、散々聴いていく
人が歩けば立てた板が壊れそうに揺れる
風が吹けば冷気と髪が振れた

眠る森は濃霧注意報いつまでも
夢の泡がどこまでも湧いていく
ずぶ濡れの雨を檻に例えたことにハッとした
走り抜けるように四分三十秒が過ぎてしまう
微睡みを踊る黒い服の物質
無音のまま花瓶が割れる
音の粒が線になり面になり、面積が体積に変わった
かき消し合うライカ戦争の緑色
空虚に押された背中で乗り込む電車。終末。

◻︎

踊ってばかりいたいけどそうもいかない国
馬鹿騒ぎと過労死の橋渡り
大きい声と小さい声、ニュースのパワーバランス
無感情のタメ口と引きつり気味の敬語
腕時計をする間は時間は無視しよう
あなたになって見た世界はどんな色
「夢がある」なのに逆さ吊りの腹の中
秋の匂い詰め放題 冬の景色眺め放題
半袖の重ね着 汚れたワークボトムス
窓の向こうの温度が曖昧だ
エスカレータ 待ち焦がれる球児
死んでも止まらない時間のリズム
ケタケタと笑って鍋を煮ている
早稲田のあのライブハウスの前にあるあのタバコ屋
コインパーキングの料金の延びに注意喚起していた

アテンションプリーズ、飛び込むのはまだ早いよ」

半径5mで感じる秋
湿度が高く次第に強まる雨
休日の入り口
まだかまだかと迎えを請う
ディスコに合わせて歩幅を整えた
ミラーボールは微笑む様だよ
鳥は風に、優しく揺らされている
ここには喜びも幸福もある
時間をいつまでも繋いでいく
終わることなく増幅させていく

アートシアターの夜明け前
ネズミを追ってこんなところまで来てしまった
飯につられるとどうにもかなわん
ここは何という町なのか
潮の匂いが微かにする
道が凸凹で歩きづらいったらないな
ジメジメとして嫌な空気だ
あのネズミがあんなに逃げ足が速いとはな
仕方ない、暫し夜明けまで眠るとするか

直角に向かうよ
いろんなものを突き刺して
鋭角に向かうよ
いろんなものを剥ぎ取って
骨格を描くよ
有る事無い事織り交ぜて
錯覚を起こすよ
三角は崩れるよ
線と線を切りあって
感覚を忘れるよ
飛ばされていく凍る村へ

◻︎

アートシリアル、テクニカルパレード
オープンライフ、ハードポイント
ラックドーズ、グーンポップ
シニカルハフ、ボーゥトファウンド
パーティシック、ラフパナマ
イースバイト、マウントサグ
スリープリアル、シネマウェル
ドギーニッガ、オートシザー
ポストフルーツ、ウィードープ
ターミナルベッド、ハウスカタパルト
カルトアーバン、ドゥルーギーシティ
レフトミリオン、ワックスシー