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儚さで溶ける花弁の様に
切なさで壊れる心の様に
愛しさで剥がれる仮面の様に
疎ましさで焼ける皮膚の様に
温かさで痺れる睫毛の様に
賢さで崩れる思考の様に

秋は忍び足で近づいて
皆の心を冷たくさせる
皆の涙を温かくさせる
皆の足を早くさせる

冬は気づけば隣町
草木を枝に変え 尊き者を失わせる
町ヲ歩けば灰色になり シンーーーとした世界
湖の底をぼんやり眺めた