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引き込まないで

虹色の中に

光が粒になるその中に

溶け込まないで

東京の中に

人が物になるその中に

 

文字の変化で心の着色

暗い色はいくらでも使えてしまう

大きいバケツを用意して

冬のベランダで凍らせてしまう

 

追いかけられ続ける虫の様に

出そうで出ない嚔(クサメ)の様に

フライパンで踊るバターの様に

そう在ることが世の常です

 

生き物の鼓動が響く部屋で

生き物の様に啼く機械と共に

仕方なく滴る凍る水もまた、

ここにいるぞと報せている

 

季が巡り続けることと共に

人の生も一つの季節であるだろうと

唱えども、誰がために響くわけも無い

時の伸び縮みで損をし、得をする

 

いつまでも文字を産んでいたい

耳が失くなろうとやり過ごしたい

勇気がない 力がない 障子紙の様に

雪の気分でも空は塵一つも降らそうとしない

我が儘にはいかないものだ

イタズラにしては悪戯が過ぎている